東京家裁における遺産分割事件の進め方

2016.02.17

東京家裁では、円滑な調停の実現のため、遺産分割の法的枠組みを踏まえた“段階的進行モデル”に沿って手続が進められています。
具体的には、(1)相続人の範囲、(2)遺産の範囲、(3)遺産の評価、(4)各相続人の取得額(特別受益・寄与分の有無とその評価)、(5)遺産の分割方法の順に進められます。
(1)相続人の範囲では、誰が相続人かを確認します。この段階で問題となるケースはあまり多くありませんが、戸籍が事実と異なる等、相続人の範囲に問題がある場合には、特別な手続が必要となります。なお、相続人の中に認知症等で判断能力に問題がある方がいる場合には、成年後見等の手続が必要となります。
(2)遺産の範囲では、遺産分割の対象となるものが何かを確定します。原則として、被相続人が亡くなった時点で所有していて、現在も存在するものが遺産分割の対象となる遺産となります。この点については、別稿にて詳しく解説する予定です。
(3)遺産の評価では、(2)遺産の範囲で確定した遺産のうち、不動産等の評価額を確認します。両当事者から査定書を複数提出し、平均をとる等の方法により評価額の合意ができれば次の段階に進みますが、合意ができない場合には鑑定をすることになります。この鑑定の費用は、予め裁判所に納める必要があります。
(4)各相続人の取得額(特別受益・寄与分の有無とその評価)では、(2)遺産の範囲で確定し、(3)遺産の評価で評価した遺産について、法定相続分に基づいて各相続人の取得額を決めますが、特別受益や寄与分が認められる場合には、それらを考慮して各相続人の取得額を修正します。
(5)遺産の分割方法では、(4)各相続人の取得額(特別受益・寄与分の有無とその評価)の取得額に基づいて、遺産をどのように分割するかを決めます。ある相続人が不動産を単独で取得する代わりに、他の相続人が金銭を多くもらって調整したり(代償分割)、売却して代金を分配したりする方法(換価分割)等があります。
各段階で合意ができた場合には、その合意内容が期日調書に記載することで、紛争の蒸し返しの防止が図られています。

遺産分割の全体像、協議・調停・審判については下記ページをご確認ください。

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