遺産分割の対象となる財産(1)

2016.02.23

遺産分割は、遺産や相続に関する問題を全て解決すべきものと思われがちです。しかしながら、遺産分割の対象となるのは、被相続人が相続開始時に所有し、分割時も存在する、未分割の、積極財産であり、これに該当しないものは、本来は分割対象とはなりません。もっとも、一定の場合には対象となるものもあり、次のとおり整理されます。

  • (1)当然に分割対象となるもの
    …土地・建物、株式、現金、国際、投資信託等
  • (2)当事者の合意があれば分割対象にでき、調停及び審判で扱うことができるもの
    …預貯金、貸金、不当利得・不法行為債権、相続開始後の利息・賃料等
  • (3)当事者が調停手続で協議をし、一定の合意をすることは可能であるが、当事者の合意があっても審判手続では分割の対象とはならないもの
    …相続債務、葬儀費用、遺産管理費用等

(2)のうち、預貯金については、相続の開始と同時に法定相続分の割合で当然に分割されることから、上記「未分割の」という要件が欠けるため、本来は遺産分割の対象とはなりません。もっとも、当然に分割されるといっても、各相続人が金融機関に対し相続分の割合で預貯金の払戻しを請求しても、これに応じる金融機関はほとんどありません。金融機関によりけりですが、独自の書式を用意しており、相続人全員の署名や実印による押印と、戸籍や印鑑証明等の必要書類を添付して相続人の代表者に対し払い戻すという扱いをしているところが多いようです。そうすると、結局相続人間での協議が必要ということになり、他の遺産も含めて争いとなっている場合には、預貯金についても合意により分割対象として一緒に解決しようということになるでしょう。
また、相続債務についても、消極財産であることから上記「積極財産」という要件が欠け、また、相続開始と同時に法定相続分の割合で当然分割されるため、「未分割の」という要件も欠け、やはり本来は遺産分割の対象とはならないものです。しかしながら、相続債務をどのように負担するかは、経済的にみれば積極財産の分配と同様であることなどから、当事者間で分割対象として合意することで、他の遺産と同じ機会に解決することができます。

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