遺産分割の対象となる財産(2)

2016.03.04

前回に引き続き、遺産分割の対象となる財産について解説します。
遺産分割事件でしばしば問題となるものとして、特定の相続人が受取人となっている死亡保険金が上げられます。これも、被相続人の死亡に伴い、特定の相続人が金銭を得ることとなるため、他の相続人にとっては不公平感がある上、相続税の申告では、相続財産に算入されるものとされていることから、遺産として扱われるべきという主張がなされることが少なくありません。しかしながら、法的にみると、保険契約に基づく保険金請求権は、特定の相続人が固有財産であるため、遺産には含まれないため、注意が必要です。
また、遺産の範囲の確定に関し、一番大きな争いとなるのは、いわゆる使途不明金の問題です。これは、被相続人名義の預貯金が、被相続人の死亡前後に払い戻されており、その使途が不明であることに関し、主に預貯金の管理をしていない相続人が、払戻しをした相続人に対し様々な主張をするという問題です。葬儀費用等、使途が明らかなものについては相続財産全体の負担とする等として解決することもありますが、そうでないものについては、次の3つのいずれかに整理できる場合に限り、遺産分割手続の中で解決できることになります。

  • 1.ある当事者が払い戻した預金を既に取得したものとして相続分を計算する
  • 2.ある当事者が、払い戻した預金を現金として保管しているとして、その現金を分割対象財産とする
  • 3.払い戻した預貯金被相続人からの贈与として認められるとして、同額の特別受益があるとの前提で相続分を計算する

これら1.から3.に整理できない場合には、遺産分割手続とは切り離して解決しなければならず、別途不当利得返還請求または損害賠償請求を目的とする民事訴訟を提起することになります。

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