特別受益について

2016.03.18

遺産分割調停の進め方として、遺産の範囲、遺産の評価の後は、特別受益・寄与分の主張について検討することになります。
共同相続人の中に、遺言によって財産を譲り受けたり、生前に遺産の前渡しとなるような多額の贈与を受けたりした者がいるときに、相続人間の公平を図るため、譲り受けた財産を相続財産に加算して遺産分割をすることになりますが、その持ち戻しの対象になる贈与等を特別受益といいます。
話合いで解決することができず、調停となったようなケースでは特に、当事者間で不公平感や被害感情等が強く、そのような感情の元となる事項を全て特別受益や、次稿で解説する寄与分の主張として解決しようとする傾向があります。しかしながら、特別受益に当たるのは、法律上「遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた」とされており、全ての主張が特別受益と認められるわけではありません。具体的には次のとおりです。

  • ア 婚姻の際の贈与
    結納金や挙式費用は当たらない。ただし、持参金、支度金は、金額が大きければ特別受益に当たる。
  • イ 貸付金
    贈与ではないため、特別受益に当たらない。
  • ウ 小遣い・生活費
    扶養の範囲内のものは特別受益に当たらない。
  • エ 新築祝い・入学祝い
    親としての通常の援助の範囲内であれば、特別受益に当たらない。
  • オ 学資
    扶養の範囲内と思われる場合(被相続人の生前の経済状況や社会的地位を考慮)には、特別受益に当たらない。共同相続人全員が同程度の教育を受けている場合には、当たらないとされるのが通常。
  • カ 生命保険金
    原則として特別受益に当たらない。ただし、遺産の全体からみて、相続人間の不公平が見逃すことができないほど大きいような特別の事情がある場合は、特別受益に準じた扱いとなる。
  • キ 死亡退職金
    労働協約や就業規則により、死亡退職金を受け取る遺族の生活保障という趣旨が明らかなときは、特別受益に当たらない。
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